無双OROCHI
これも全ては君のため…
魔王・遠呂智(オロチ)が降臨した。
圧倒的な力を誇る遠呂智は、
時空を歪め、三國志の世界と戦国の世を融合、
三國、戦国の英傑達に戦いを挑んできた。
遠呂智は混乱に乗じて
三國と戦国の各勢力を次々に打ち破り、
その世界を掌握しつつあった…
*
許。
其処は三國の世界の中でも魏の曹操を中心とする勢力が、対遠呂智に向けて陣を張っていた。
石田三成は、戦国・尾張の羽柴秀吉に仕えていたが、この混乱で主や仲間とはぐれ、自分一人で戦っていたところを、魏の曹操に見込まれ許へやってきた。
三成は許の都にて軍備の整う様子を見て歩いていた。
一見、冷静沈着で抜かりなく事を運んでいるように見えたが、内心ははぐれた秀吉、ねね、正則や清正ら同胞の安否、そして、最も信頼できる仲間、左近・幸村・兼続らの消息も気に掛けていた。
曹丕は若輩ながら、そんな三成の心情を誰よりも早く察していた。
三成が、魏軍の「勝てる望みもないのに遠呂智軍に歯向かうのは得策ではない。まずは、内部に入り込み、力を蓄える。そのためならば、今の段階で、例え、昔の味方であっても遠呂智に刃向かう奴には容赦してはならない。」という考えに納得していないことも、曹丕は感づいていた。
許に、新たな敵が向かっていることを知ったのは、それから間もなくのことであった。
曹丕は偵察隊に敵の素性を調べさせた。
相手は、武田・上杉軍という、戦国最強の二軍だとわかった。
「三成よ、今度の戦にはお前のかつての同胞がいる。」
曹丕は偵察隊の情報を皮肉交じりで三成に伝えた。
曹丕には分かっていた。三成はそ知らぬ顔でこの戦に応じる。と。
案の定三成は、
「関係ありません。」
と冷たく言い放った。
「そうか。」
曹丕は口の端を上げた。
開戦。
先方は武田・上杉の猛将、真田幸村と鬼小島弥太郎。
幸村の姿に三成は内心を動揺させていた。
かつて、義を誓い合った友。
こんな形で再度見えるとは思いもしなかった。
三成が唇を噛んでいるのを、曹丕は横目で見ていた。
「行ってもいいのだぞ?」
曹丕が前を見据えて呟いた。
三成は曹丕を睨む。
「俺は行きません。」
バチンと大きな扇子を勢いよく畳んだ。
幸村が魏の兵たちと命掛けて戦っている。
「第二陣!」
の声に三成はハッとし、顔を上げた。
“彼”が其処にいた。
三成の真に信頼する友。
「さ…左近…」
対陣する向こうに、馬に乗った島左近と直江兼続が三成をじっと見ている。
「殿―、大筒ドカンといっちゃいますけど、死なないでくださいねぇ。」
相変わらず気の抜けた適当な感じ。敵とは思えないくらいの気楽さだ。
「三成!今、助けにいくぞ!!」
剣を天に向け、なにやら叫んでいる男がいるが、あえて奴は無視しておこうと三成は顔を背けた。
曹丕は顎に手を掛け、双方を見やった。
そしてニヤリをほくそ笑み、突然三成の肩を抱き寄せた。
「曹丕殿、何をっっ!」
三成がとっさのことで顔を赤らめて手を放すよう身体を捩じらせた。
その一連の動作を見て、幸村は口を開け、十文字槍を地に落とし、左近、兼続に至っては、ワナワナと身体を震わせている。
「敵陣に告ぐ!今すぐに我等に下れ!さもないとこいつの****を奪うぞ!」
曹丕のその一言に、三成は硬直。
左近・兼続は大爆発した。
「…殿…すみませんねぇ、こりゃ大筒1本や2本じゃ片付きそうにないですぜ…」
「…な…なんたる不義な…許さん…不義な輩はこの、直江山城守兼続が断じて許さぬ!!この毘沙門天に掛けて、三成の貞操を守りぬく!!」
「「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」
左近の大筒が火を噴き、兼続の護符からはすさまじいビームが飛び交った。
許の城壁は崩れ落ち、あたり一面砂塵が舞い上がった。
三成や曹丕の視界は砂煙に消され、敵陣が見えなくなった。
「ふん、やるな…」
曹丕は三成を抱きかかえたまま、その情景に笑いを浮かべていた。
「曹丕、放してくれ!あいつ等はああなると何をするかわから…」
「み〜つ〜な〜り〜!!」
敵は目の前に来ていた。
それは既に我を忘れた体毛の濃い男と、烏賊頭のような兜に、明太子のような唇をした男が涎垂らし、目に炎を宿した毘沙門天もびっくりの形相で三成の前に現れた。
「殿に触れるたぁ、1億年早いぜ、魏の皇帝さんよぉ…」
「離れろ!三成から離れろ!義と愛が、三成を救う力をくれるのだ!」
さすがの曹丕もこれには絶句し、笑うに笑えない状況に気付いた。
「やめろ、左近、兼続!曹丕は…」
「殿…俺らという仲間が居ながら裏切るんですかい?」
「三成の心を奪うとは、何たる不義な!!」
もはや何を言っても通じない状況にまで陥ってしまっていた。
「殿は俺のものだ!」
「三成は私が守らねばならんのだ!」
かくして魏陣営・許は、一方的な思い込みの激しい戦国武将たちの手により陥落した。
曹丕は捕縛。
左近・兼続の手により、身包みを剥がされ、見るに耐えられない姿で妻・シン姫の前に曝されてしまった。(妻・シン姫は卒倒。回復には時間を要したという。)
別の場所に遠征していた曹操は、許の有様に、涙し、典韋と共に姿を眩ませた。
遠呂智対三國・戦国の英傑達の戦いは、未だに続いている…
おしまい。
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